第一話
僕は天才プログラマー『ナカジマ』だ。
何ヵ月か前にこの村に引っ越して来たが、今度はこの村から外界に出れなくなっていた。
今日もこの箱庭から脱出するために『パソコンとラック』のキーを叩いている。
僕には同居人がいた。
天井裏に3人居るのだ。
だが、彼らは目覚める事は無い。
彼らは昏睡に陥っていた。
一応名前は分かる。
『ユミコ』『ハザマ』『ベス』。
…彼らの寝顔以外の表情は見た事が無い。だが確実に彼らは生きて動いている。
僕が寝ている時に彼らの内誰か一人が起きている様だ。
僕の知らない内に家具が動いていた。
村人から彼らの話を聞いたし、
彼らから手紙が来たことで確信した。
この『TOKYO村』ではTOKYO村の人間は一度に一人しか行動出来ないらしい。
さらにこの村から出ようとしても出られないのだ。僕達はこの『箱庭』に閉じ込められたらしい。
ここの村人は友好的な者もいた。しかし僕を騙して金を根こそぎ奪い取った村人もいるのだ。
かえって後者の村人が多い。
この村の村人は人間ではない。
人ならざる人『どうぶつ』―
その異形の姿で僕を苦しめた。
―出来た。降魔術とCPを組み合わせた『悪魔召喚プログラム』。
…僕は悪魔を呼び出し、あの虫けら共を処刑してやる。
そしてこの箱庭から脱出するのだ。