第二話
僕はまず、
プログラムに悪魔を詰めた。

魔王クッパ。

少し話したらあっさり仲魔になった。

僕はいつ虫けらを処刑するか決めた。
ニューイヤーデイ。

僕は魔王クッパに3人の魂を捧げると約束した。
たぬきちと、ボン、そしてももこ―

村中の村人が集まる年越しイベント。
僕はそれを利用した。

相変わらず三人は目覚めない。 …だが、その戒めからももう解放される。
彼らを救うのだ。 同時に奴等を処刑する。


今、僕は役場の前に居る。
僕は自作の改造家具を腕につけた。ハンドベルトコンピューター。
腕に付けるタイプで、持ち運びできる。 僕の指がキーへと運ばれる。

「ねぇ、ナカジマ?」 突然呼び掛けられた事にびっくりした僕はキーから指を話した。

後ろを向くとリリアンがあどけない表情でこちらを見つめる。

「それは、何?」
リリアンの視線は腕のコンピューターに向けられていた。
僕の身体から血の気が引くのが分かる。
「ああ、これか?」
僕は持ち物からスコップを取り出す。
「リリアン、ちょっと待ってくれ。」
木の裏へスコップを持ちながら僕は落とし穴のタネを埋めた。
スコップから土の感触が伝わる。
リリアンの肉体もこの後、この冷たい土の下へ埋まるのだ。

僕の頭の中は既に危険思想でいっぱいだった。
「リリアン、来てくれ!」
リリアンは何も疑わずこちらへ来た。
今だ。

僕はリリアンを木の裏へ押し倒す。
リリアンの身体は地面に沈んだ。
どうぶつが落とし穴に落ちても声一つ出さない。
いくらもがいても一人では出れない。
既に実証済みだ。

役場の前へ僕は戻る。
新年まで後1分。
せいぜい新年まで盛り上がるがいい。
そしてお前達の命日は正月になる。

僕は召喚の準備を始める為にキーへ指を伸ばした。