第三話
僕は新年の祝いと同時にクッパを召喚した。
村に混沌が訪れる。
クッパはあらゆるものを破壊し尽くした。
僕の苦労の日々の産物も、3人が生きていた証も…
「ど どういうことじゃ!何があったんじゃナカジマ!」
パニクったコトブキ村長が僕に質問を浴びせる。
「ん?簡単な事ですよ…僕はこの世界から脱出する!」
僕はコトブキ村長に右ストレートを与えた。
僕の拳が顔に食い込む。
無防備だったコトブキ村長は激しく吹き飛んだ。
そして運悪く同じカメの魔王クッパの甲羅のトゲに当たり、息絶えてしまった。
「あっはははは…あははははははは!!」
僕はこれまでに無いほどの快感を味わっていた。僕は奴等をひれ伏している。凌駕している。
村は炎に包まれ、激しい熱風が起こる。
僕は今のうちに三人を門まで運び出した。
ユミコ。
君の笑顔が見たい。
ハザマ。
君からは手紙を貰っていないな。
君はどんな人間なのだろう。
ベス。
君がこの村が好きだったのは知っている。
でも…僕は耐えられなかったんだ。
許してくれ。
クッパは既にたぬきちとボンを葬った様だ。
残すは後一人。
「ナ、ナカジマ…」
「ん?リリアンか。」
僕は地面に沈んだリリアンに視線を向ける。
「な、何を…」
「はぁ…君だって気付いてるくせにな。」
僕はリリアンを見下す。
「な…何に…」
リリアンの声には覇気が無く、今にも死にそうだ。
「この世界が…単なる箱庭だって事だよ。」
「…何…そ…れ…」
「まあいいよ。キミには用は無いしさ。」
燃えた木がリリアンに向かって倒れる。
リリアンは倒れた木に気付かないまま死んでいった。
リリアンには悪いが、僕達はこの亜空間から脱出しなければいけない。
残る標的はももこ―