第八話
〜ナカジマのハンドベルトコンピュータ内にて
魔王クッパはデジタルデータに圧縮されながらもある事を考えていた。
ナカジマを利用しようとわざと仲魔になった。全てはクッパ自身の目的の為に。そうして彼は絶好のチャンスを待った。
そのナカジマが村一つを壊滅させるという目的もクッパにとってもまだ良い目的だったのだ。
彼の目的は実世界に実体を持って進出する事だ。
魔界、地底世界で覇者として君臨したクッパだったが、実体を維持する事が出来ない実世界には出る事が出来なかったのだ。
そんな彼にナカジマが交渉を持ち掛けて来たのはまさに絶好の機会。
そして次の機会、つまりナカジマの身に何かあった時にはナカジマ自身を倒し、そして完全なる実体を得る。
ナカジマはこんなコンピュータからは出れないと思っていたがそんなこともなかった。
彼には十分この基盤から出る事が出来る力があったのだ。
いよいよ実世界を支配する時が近付いて来たのだ。
クッパはその瞬間を楽しみにしていた。いや、クッパだけではなく他の悪魔達も同じだ。
ナカジマが悪魔に見捨てられ、肉体と魂を貪られる瞬間はそう遠くはなかったのである。
そしてその瞬間はゆっくりと、確実に近付いて来た…